日本画 : Japanese Pigments Paintings 2008 - 2006
飛翔 走り高跳び之図
2006年 鳥の子紙に墨 四曲屏風 / 75×148.5 cm
「Fish boy」もそうなのですが、以前からスポーツを主題に何か描きたいと思っており、これもその一環として描きました。
バーを飛び越える一瞬の、緊張と弛緩の美しさを表現したいなと思いましたが、なかなか難しかったです。
これを描いた直後、走り高跳びの醍醐直幸選手のインタビューを雑誌で読み、「体のバネを貯める」という走り高跳びの選手独特の言葉の表現があるそうで、
なんだか心引かれました。
練習し過ぎるとバネは失われ、休みすぎると筋肉が緩みバネがいかせないとのこと。そのバネの含有量は自らの感覚に頼るしかないそうです。
描く際、つい跳躍する人体の美しさばかりを意識しがちだったのですが、描く前にこういったことをちゃんと知っておけば、
また違った視点で描けたんじゃないかと反省した次第です。