日本画 : Japanese Pigments Paintings 2008 - 2006

Prince come true おうじさまのくに

wanitora
左隻:「強くなる、君を守るために!」

wanitora
右隻:「キミを迎えにゆく日まで」

2007年 鳥の子和紙に金箔,岩絵の具 六曲屏風/ 176×372cm


「いつの日か、私にも白馬に乗った王子様が迎えに来てくれる…」。
少女の頃、西洋のおとぎ話に胸をときめかせ、未来の王子様を夢みた女性は多いのではないでしょうか。
この作品はかつて憧れた物語の世界から王子様だけをピックアップし、六曲一双屏風の中に閉じこめた、
「おうじさまのくに」です。

左隻の「強くなる、君を守るために!」では、長靴をはいた猫のカラバ侯爵、クルミ割り人形の王子(よって、メインツリーはクルミの木です)、 美女と野獣、白鳥の湖、人魚王子…。お姫さまを迎えに行く為に、彼らには数々の困難に立ち向かってもらわなければなりません。
来るべき日に備え、自らを鍛える王子の図です。
夏をイメージして描きましたので、ちょっと露出度の多い衣装を纏わせ、セクシーさを強調しました。

右隻の「君を迎えにゆく日まで」は、それぞれの愛しの女性を想い、ゆったりと過ごす王子たちの図です。
春の訪れをイメージしながら、文字どおり白馬に乗った王子様を筆頭に、 いばら姫、シンデレラ、蛙の王子、白雪姫…と、かの有名な王子様たちにどんなお衣装を着せよう、髪型は?と、ワクワクしながら描きました。

あなたを守り、そして迎えに来てくれるのは、どの王子様かしら?
それにしても、「君を守る!」なんてセリフ、一度は言われて胸・キュン!となってみたいものです。

ようこそ王子さまの国へ、あなたは、どの王子さまがお好き?


この作品を制作するにあたり、私が一番大切にしたのは、「Dreaming - 夢みる」ということです。
幼い頃、いつも胸に抱いていた未来の自分へ。そして異性への「夢」、「憧れ」。そんな甘酸っぱい言葉が持つ幸福感を、 この絵の中に詰め込みたいと思いました。ありったけの夢と、趣味を全開させて…。

ただ、少女の頃と違い、それなりに世間の荒波に揉まれてきた私のお年頃。 何も知らなかった頃夢みた王子さまと違い、 彼らの股間が少々ふっくらされているのは、いたしかたないと言えましょう。


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